-プロローグ-
「2016年12月22日と言えばでんぱ組が公式Instagramを始めた日ですが、、、」
それは2019年11月9日、でんぱ組の沖縄ツアーでの出来事
ライブを終えて公式のオフ会
100人程度が貸し切りのレストランに集められて、HISの企画したイベントで盛り上がっていた。
その一つの○×クイズ、みんなのでんぱ愛を確かめると銘打ったクイズでヲタクの出した答えをメンバーにアピールして、メンバーが答えるという半参加型クイズイベントだった。
ただ、スタッフの人もでんぱ組専属というわけではないので、どうしてもクイズの内容はSNSで拾った重箱の隅をつつくような問題が多かった。
愛を試されているはずなのにとファンの人も不満も抱えながらクイズは進行していった。
「2016年12月22日と言えばでんぱ組が公式Instagramを始めた日ですが、、、」
ぼくはその後の問題の記憶がない
それはまだぺろりんと根本がでんぱ組に加入する前で、
その日はサキドルエースでぺろりんが朝からshowroom、
平日昼間からでHMVbooksでイベントをした日だったからだ。
-本編-
2016年12月22日、早朝
前日のドラマよりもドラマティックのMVお披露目もあり、
夜遅くまで感想ツイートのエゴサを続けてまだ眠たい。
それでも目覚ましをかけて早起きをしたのは、平日で研究室があったからという理由だけではなく、
サキドルエースでぺろりんが朝からshowroom配信をするからだ。
社会人のヲタクの多いぺろりんがみんなに配信を観てもらうためには、どうしても時間の制約がある。
出勤前の早朝、昼休み、リリイベ終わりの夜遅く。
配信オーディション系イベントはアイドルにもヲタクにも相当な負担を強いる。
見かねたぺろりんがshowroomイベントを切り捨ててきれたのは本当に助かったし、英断だった。
とはいえ、この頃はまだまだ配信を始めたばかりの頃で楽しく配信を見ていた。
体調が回復したばかりの冬の朝、ぺろりんは自分の部屋から配信していた。
親も安心な寮である。
りかんぬからもらったと言うパジャマでの配信。
内容も取るに足らない普段の話。
でもそれはぺろりんからしか得られない格段の癒し。
殺気立った満員電車の中で観ていたけれども、
時間を忘れるくらい過ぎ去っていくのが早かった。
平日昼間のHMV books Tokyo
遅めの昼休みをとり、イベント終えてすぐに戻るつもりだった。
でも、それは周りのヲタクも同じ考えだった。
他のヲタク、ちゃんと仕事しているのだろうか。
就職活動を控えていたぼくは、将来のビジョン、キャリアについて悩んでいた。
-エピローグ-
○×クイズを終えて帰りのお見送り会
根本がぼくの着ていたTrySailのアノラックパーカーに気付いた。
「それTrySailさんのですよね。この間、中野サンプラザでライブしてましたよね。」
好きなアイドルグループへの愛情というのは、○×クイズで推し量れるものではなく、こうした小さな出来事の積み重ねで育まれていくのだろう。
TrySailがライブをしたのは中野サンプラザホールではなく、仙台サンプラザホールだった。